※[魅せに関するまとめ/Neat.txt]の古い記述です。 「強さの極限に娯楽はない。そして求めらるのは娯楽である。」 ■娯楽の重要性  MUGENにおいて、強さは主題でない。  対人戦を考慮した場合は、いかに「攻略性」を持たせるか。  対AI戦(Watch)を考慮した場合は、いかに「魅せ要素」を加えるか。  そうした辺りが重要になってくる。  強さは、その為の要素の一つに過ぎない。  MUGENは娯楽である。楽しまなければ、意味が無い。 ■攻略性の内容 .勝てること .相手の行動を見ていなければ勝てないこと。 .動作を考えなければ勝てないこと。 ■魅せ要素の内容 .楽しいエフェクト .有利不利の移り変わるゲーム .単調にならない ■攻略性の有無  攻略性は、プレイヤーの腕前に依存部分が大きい。  例えば、強・並キャラを使いながら狂・凶の下位でも倒せる人にとって、   並程度では攻略性が薄く、満足できないことが多くなるだろう。  だが並キャラで強キャラに勝てない、並キャラに苦戦するのであれば、   並キャラであっても攻略性が高い、と言う事ができる。  そのあたりの強さはAIだとか、相性だとかにも左右されるが。  ちなみに、操作性の難しいキャラクターで戦う、という自キャラの攻略性もあり、   完走が困難なコンボに挑む、というのも攻略性の1つになるだろう。  あるいは1チャンスから10割を持っていくキャラに対して、   1チャンスも与えずに倒すといった、曲芸の域の攻略などもありうる。  対人(Anti-Player)タイプのキャラであれば、   人を苦戦させる、という分の攻略性もあるだろう。  ただし重要なのは「ギリギリ勝てる」というラインであること。 ■魅せ要素の概要 .楽しいエフェクト .有利不利の移り変わるゲーム  .単調にならない  掲示した3つの中、1つ目と3つ目の要素はキャラクター側に依存する部分が大きい。  AIは、あくまで動作を考慮するだけであり、   基本的な能力はキャラクターにあるためである。  「エフェクト」そのものはキャラクターに強く依存しているのは明白。  が、エフェクト性の強い技を用いる用いないはAIの仕事。  ハイリスク・ローリターンな超必殺技や、実用性は無いが派手な技など、   そうしたものも使わせるかどうか、という辺りを考える。  リスクが高いと分かる行動を成功させる、などもエフェクトになりえる他、   コンボなどもエフェクトの一部と考えられなくも無い。  挑発は代表的なエフェクト動作。  「有利不利の移り変わるゲーム」とは   一方的な展開が可能である場合の自重などが当てはまる。  AIは与えられた命令を忠実に行うため、目押しは勿論のこと、   安定コンボの完走などは当たり前、不安定でも調整を行えば不可能ではない。   だが、永久などが存在しても、魅せの要素からすれば論外である。  キャラクターによって不可能である例は、   一方的な展開でしか戦えないような弱キャラ程度。  「単調にならない」は有利不利と同様に、いくら効率的だとしても、   単一の攻撃方法は避け、パターンなどを行わないように心がけること。  永久までとはいかないループも、何度も起これば単調であり、   拘束時間の長いコンボなどを乱用する事は、好ましくない。  コンボ以外では、待ち戦法、露骨な当身狙い、トリカゴ、   展開が無く、状況がいつまでたっても変わらない状態などなど。  だが、キャラによっては技の種類自体が少なく、   選択の余地が無くて単調になってしまう、という事もある。  また「攻略性」を感じさせることも、魅せの要素になりえる。  攻撃に対して反撃や、超必殺技の回避、暗転返し、逆転、   あるいはエフェクト的なリスクの高い技を成功させるなど。  AIでAI上当然ではあっても、凄いという印象を与えることもある。  ただし人では簡単だが、AI上困難な事をやっても凄いとは思われにくい。 ( その代表例は、ぶっぱ的な超必殺技の当身返しに対する反応。   出来て当たり前とされ、攻撃しないよう反応しても当然に見える。  AIに関してよく知っているのであれば、それらの印象は反対になるが。 )  AI同士の対戦で魅せを求める場合は、   キャラ性能とAI傾向を考えて調整を行うことで、   より接戦を演じてくれるようになる、だろう。  待ち対待ちよりも、ガン攻め対ガン攻めの方が展開は速い。  ちなみに主導権を握ったら最後、一気に決められる同士の   いわゆる「ターン制」も、片方がやられ続けなければ、   一応の面白さはあるが、極端すぎるのは考えものだろう。  あと「有利不利の移り変わるゲーム」に属することだが、   「特定の条件下で動作傾向を変更させる」というものもある。  極めて有利な状態になったら行動を中断する、   試合が続くにつれて動作の確率が上がっていく、など。  こうしたものは、ただ一方的な展開にならないようにするもので、   より接戦を演じられるよう調整されているもの、と言える。  AIによっては体力が減ると逃げて飛び道具を優先するものもあるが、   こちらはより安定して勝つ為、という意味が強いだろう。  状況にあわせる、人間的、と言う風にいうこともできるが。 まとめ  AIにおいては「流動性」「多様性」「攻略性」の三つが重要。  確実な攻撃ばかりせず、多少危険を顧みない行動も行わせる方が良い。  確実な攻撃で相手を封殺してしまっり、単一な動作になってしまったり、   まるで機械のような攻撃しかしない様は、楽しみがかなり限られる。 ■トドメの美学  最後の一撃には、n乗のようなエフェクトの補整が気持ちとして掛かる。  分かりやすく言うと、超必殺技でのフィニッシュはカッコいい、という事。  例え小足や小パン、強キックの削りだけで死ぬとしても、   あえてゲージを使った技で止めをさすなどの、いわばトドメの美学である。  ゲージ技が無くとも、せめてエフェクトの強い必殺技を用いる、など。  そうした強いエフェクトを持った技での止めは、   例え「負ける」側だとしても、考慮の価値がある。   「良い勝負」を演じられるように。  AIに組み込む動作としては、   相手のライフが少ない場合に超必殺技を使いやすくする   自分のライフが少ない場合はガードをいつもより硬くする  などがあるだろうか。  ゲージ技使った場合、止めにゲージ技が使えなさそうなら使わない、など   相手ライフを考えて「通常技で止めをささない」調整なども可能ではある。  そこまでいけば、【劇場型AI】と呼ばれるかもしれない。   ■MUGENにおけるキャラの強さ 参考 □弱  格闘ゲームでないキャラクターに多く、   並キャラとまともに戦えるキャラすらが珍しいというランク。  と言うよりは、並キャラとすらまともに戦えない、   意図的に極めて弱く作られたキャラクター達。  派手とは無縁ながら「エフェクト」の内、ネタ性の強いキャラばかり。  攻撃手段すらなく勝手に死亡するキャラもいるが、   キャラクターによっては何かしらに特化している場合もある。 □強・並  いわゆる格闘ゲームの範囲で、リスクとリターンの比例する、   ゲーム的なバランスの考慮されたキャラクター達。  格闘ゲームの基本が通用し、駆引きなども含め、   「エフェクト」と「ゲーム」のバランスが存在する。  KFMもここに属する。  キャラ性能を抑える場合、並と呼ばれるキャラを基準とし、   彼らが勝てるようにした調整が多く、「良心的な性能」とも言える。  操作していてもほどほどで、数的にも多く最も親しみやすい。  より多くのキャラと拮抗させる場合の基準地点となる。 □狂・凶  神クラスの一つ下と言われるそのクラスは、リスクという概念が希薄で、   ハイリスクなど無く、ローリスク・ハイリターンが当然。  格闘ゲーム的な要素もあるが、「エフェクト」の方が明らかに強く、   「強い=強く作られた」という事の方が分かりやすい。 ( 強くなってしまった、も含む。 )  ただし、神クラスのようなシステムは搭載していないことも多く、   多少性能差のあっても、相性や立ち回り次第で勝つことも可能である。  神クラスと比べれば「試合を理解できる」とも言えるだろう。  このクラスの下位辺りはボスキャラの場合も多く、   強・並キャラで十分戦える相手であることもある。 □神クラス  それは「 Cnsによるパズルである。 」と、誰かが言っていた。  それをめいいっぱいの「エフェクト」で派手にする。  それが神キャラとも呼ばれるキャラクター達である。 ( ここで言う「エフェクト」はExplodやProjectileなどの効果だけでなく、   キャラ画像的なものからキャラ性など広範囲に及ぶ「エフェクト」 )  彼らは特殊な防御システムに、特殊な攻撃システムを持ち、   それらを持たないキャラクターと互角に戦えない性能を持つ。  だが、場を盛り上げているのは「エフェクト」ばかりであり、  駆引きなどの格闘ゲーム的な要素など存在せず、   目に見えないようなレベル、内部処理での攻防を繰り広げている。  それらはそうした「神クラス」に属するキャラクター同士であれば、   システムの対決となり、互角に近しい戦闘も行いうるだろう。